「Theトキワ荘マンガ倶楽部・三浦みつる先生の巻」開催

　2025年3月29日（土）、小雨降る中、トキワ荘マンガミュージアムサロン2階にて「Theトキワ荘マンガ倶楽部・三浦みつる先生の巻」が開催された。
　手塚プロダクションでのアシスタント時代のエピソードを交えながらの「The♡かぼちゃワイン」トークが繰り広げられた。
　中学生の時「石ノ森章太郎のマンガ家入門」に出会い、道具や描き方を初めて知ったと言う三浦氏。「ジャンプ」や「りぼん」に投稿を始め、もし「りぼん」の方が先に入選していたら「少女漫画家になっていたかも！」と話すと会場はどよめいた。その後、手塚賞にも応募する。佳作ばかりで壁にぶつかっていると感じていたある日、雑誌に掲載されていた「ブラックジャック」の欄外にたまたま「アシスタント募集」の文字を見付けて応募。斜め後ろに座る手塚氏の手をコッソリ見ながら光栄に感じつつ、夜中に「スリッパを買って来て」と突然に言われタクシーでスリッパを探し回ったエピソードを話すと会場は笑いの渦。また、時間がなくて人物だけで背景が描かれず印刷にまわり、単行本でもそのまま出版された話ではアシスタントとしては心残りだったと語る。
　自身の漫画ではファンタスティックなSFを描きたかったがその当時、可愛い女の子が出てくるラブコメが人気だった為、読み切りで好評だった身長差のあるカップルの漫画を元に「The♡かぼちゃワイン」が誕生し連載。一年くらい経ち、マンネリ化していると考えていた矢先にテレビ朝日からアニメ化したいと言う依頼が来た。連載も盛り返し、アニメからのファンが増えて読者層の年齢が下がり、初期よりも「丸く可愛い絵」になっていったと振り返る。
　手塚プロ時代の話も、「The♡かぼちゃワイン」の話も尽きる事がなく数々のエピソードが語られ、満席のお客様は笑ったり頷いたり、大盛り上がりであった。

　トキワ荘マンガミュージアムに隣接した「ふるいちトキワ荘通り店」書籍販売コーナーでは、三浦みつる氏の書籍「LOVELY GIRLS」が数量限定サイン入りポストカード付で販売中。

（文・写真：岸田尚）