2023
8.22
日本漫画家協会特別協力事業 第32回まんが甲子園 開催!

日本漫画家協会特別協力事業 第32回まんが甲子園
2023年8月5日、6日 高知市文化プラザかるぽーと

コロナ禍でのオンラインなどの変則開催を経て4年ぶりの通常開催。今回はすべての出場校が会場に集まりました。
試合形式に大きな変更が行われ、敗者復活戦が廃止。二日間にわたる第一試合と第二試合からそれぞれ優秀作品が10点ずつ選ばれ、その中から賞を決定する形になりました。最後まで全校が参加できます。審査は学校名を伏せて行われるため、一校がふたつ賞を勝ち取ることがあり得ますし、逆に2作ともが優秀作に入っても受賞できない可能性もあります。
会場の模様は、YouTubeおよびニコニコ生放送で二日間に渡り地元高校生が生配信しました。

○YouTube @MangaOukokuTosa
○ニコニコ まんが王国・土佐チャンネル

レギュラー漫画家審査員(敬称略)
山根青鬼 (審査委員長 協会理事)
くさか里樹 (協会員)
Moo.念平 (協会員)
ひのもとめぐる (第10回大会本選出場 協会員)
ちさと (高知漫画集団)
岩神義宏 (高知漫画グループくじらの会)

ゲスト漫画家審査員
えすとえむ
井上淳哉
やなせたかし賞選考 四国ブロック おかもとあつし(協会員)


8月5日(土) 第一試合
 審査員は朝8時すぎには楽屋で本戦のテーマ選考。5つ出されていた候補の中から第一試合・第二試合用に2つを決定します。候補テーマは出場校に知らされており、各校すべてのネタを考えて来ていますが、当然自信作やそうでないものがあり、何が決定するかで状況は大きく変わります。第一試合のテーマは開会式で発表されました。

◆9:00 開会式 2階大ホール 
優勝旗変換、高知県知事浜田省司氏挨拶、地元高知県高校生による歓迎の言葉、選手宣誓など。
今年の桂ライオンズクラブバンダナをデザインした地元高校生の紹介。第一試合テーマ発表「どんでん返し」

◆10:30 競技開始 7階競技ブース 高知県知事のドラでスタート。
出場 33校(海外校3校)
北海道 市立函館高等学校
青森県 青森県立黒石商業高等学校
    青森県立弘前実業高等学校
岩手県 岩手県立杜陵高等学校
宮城県 学校法人三島学園 東北生活文化大学高等学校
福島県 国際アート&デザイン大学校高等課程
栃木県 宇都宮文星女子高等学校
    栃木県立大田原東高等学校
    栃木県立さくら清修高等学校
群馬県 群馬県立吉井高等学校
神奈川県 関東学院中学校高等学校
新潟県 学校法人大彦学園 開志学園高等学校
静岡県 学校法人三島学園 知徳高等学校
愛知県 愛知県立豊明高等学校
    愛知県立西春高等学校
京都府 学校法人京都精華学園 京都精華学園高等学校
大阪府 大阪府立咲くやこの花高等学校
兵庫県 兵庫県立須磨友が丘高等学校
和歌山県 学校法人近畿大学 近畿大学附属和歌山高等学校
鳥取県 鳥取県立米子高等学校
岡山県 岡山県立岡山芳泉高等学校
愛媛県 愛媛県立西条高等学校
    愛媛県立三島高等学校
高知県 高知市立高知商業高等学校
    学校法人土佐高等学校 土佐高等学校
    学校法人土佐塾学園 土佐塾高等学校
    高知県立高知国際高等学校
    高知県立高知工業高等学校
福岡県 福岡市立福岡女子高等学校
佐賀県 学校法人佐賀学園 佐賀学園高等学校
韓国  慶北芸術高等学校(경북예술고등학교)
    大成女子高等学校(대성여자고등학교)
シンガポール Singapore Polytechnic

 競技会場横には、漫画雑誌編集部の出張編集部ブースがあり、ペン児はもちろん、一般来場者もイラストやまんが作品の持ち込みをしてプロの編集者からアドバイスを受けることができます。競技の間、一般客向けにさまざまなイベントなどが行われました。

○オンラインイベント
 まんが甲子園オンライン「まんが甲子園応援コンテスト」

○会場ステージイベント 
 村カルキ先生ライブドローイング
 えすとえむ先生ライブドローイング

○大ホールイベント
 漫画の現場を知るセミナー
 小学館 月刊サンデージェネックス副編集長 前田一聖
 集英社 編集総務部参与 (一社)ABJ広報部会長 伊東敦
 テーマ「編集者との付き合いかた」「海賊版との戦い」「マンガが面白くあり続けるために」など

○その他イベント
 村カルキ先生デジタル作画ワークショップ

◆16:00 競技終了 作品回収 審査

◆17:00 審査結果発表と全体講評 優秀作品10作選出
 競技終了後、審査員による第一試合作品への講評がビデオ収録され、ペン児達に公開されました。これも新しい試みです。他の学校の作品への講評も見ることができ、第二試合に準備したネタを練り直す大きなヒントになります。


8月6日(日) 第二試合 テーマ「新ルール」
◆9:30 7階競技ブース 審査委員長山根青鬼氏のドラで競技開始

○会場ステージイベント
井上淳哉先生ライブドローイング
Moo.念平の「お笑いまんが道場」 
審査員チーム 山根青鬼 ひのもとめぐる えすとえむ 井上淳哉 各氏出演

○その他イベント
村カルキ先生デジタル作画ワークショップ

◆15:00 競技終了 作品回収 審査

◆15:50 第二試合優秀作品10作品発表 スカウトシップ候補生発表 世界まんがセンバツテーマ発表

◆16:40 受賞結果発表 表彰 審査委員長総評 高知県知事浜田省司氏 閉会挨拶 閉会式

<最優秀賞> 鳥取県 鳥取県立米子高等学校
<第2位> 岡山県 岡山県立岡山芳泉高等学校
<第3位> 宮城県 学校法人三島学園東北生活文化大学高等学校 ★ダブル受賞
<審査委員長賞> 宮城県 学校法人三島学園 東北生活文化大学高等学校 ★ダブル受賞
<帯屋町賞> 栃木県 学校法人宇都宮学園宇都宮文星女子高等学校
<三菱電機賞> 高知県 高知市立高知商業高等学校
<全日空賞> 栃木県 栃木県立大田原東高等学校 ★ダブル受賞
<高知県市町村振興協会賞> 愛媛県 愛媛県立西条高等学校
<高知県高等学校文化連盟会長賞> 韓国 広州大成女子高等学校
<まんが王国・土佐推進協議会会長賞> 韓国 慶北芸術高等学校
<やなせたかし賞> 京都府 学校法人京都精華学園京都精華学園高等学校
<eBookJapan賞> 青森県立黒石高等学校(青森県)
<ゲスト審査員賞―えすとえむ氏> 栃木県 栃木県立大田原東高等学校 ★ダブル受賞
<ゲスト審査員賞―井上淳哉氏> 福島県 国際アート&デザイン大学校高等課程


 第一試合作品の全講評のビデオについて、二日目の朝に引率の方数人にインタビューしたところ、生徒たち、さらには指導する先生方にとっても良い勉強・刺激になったとのことでした。やはりプロの言葉には説得力があるようです。

 高知での本戦に海外チームが加わることも普通になりましたが、韓国のチームが言葉での不利を除くべく、セリフや効果音までも日本語で書き込んできたのは驚きでした。最優秀賞、鳥取県・鳥取県立米子高等学校の作品は第一試合のもの。桃太郎は定番のモチーフですが、絵もアイデアも構成力もよく、高得点を集めました。

 試合形式が変わって早速、第一試合と第二試合の両作品でダブル受賞したのが、宮城県・学校法人三島学園 東北生活文化大学高等学校と、栃木県・栃木県立大田原東高等学校。どちらもみっちり描き込まれた素晴らしい作品でした。

受賞作はこちら
○YouTube @MangaOukokuTosa
○ニコニコ まんが王国・土佐チャンネル

<画像・文:大石容子>

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