2023
7.3
「はじめてのBL展」開催中

 2023年5月20日(土)〜7月16日(日)まで、角川武蔵野ミュージアムにて「はじめてのBL(ボーイズラブ)展」が開催されている。

 会場入口には竹宮惠子氏のキービジュアルがお客様を迎える。入ると、まず壁一面に1970年から2023年までのBL(少年愛)漫画と関連誌の大きな年表が。竹宮氏の「雪と星と天使と…」(後に「サンルームにて」と改題)から辿る年表に、お客様は目を向けてゆっくり歩みを進めていた。1970年初めに少年同士の恋愛(いわゆる少年愛)漫画が少女漫画誌に掲載され人気となり、1978年に専門誌が創刊された。その専門誌「JUNE」のコーナーが展示の起点となり、元編集長の佐川俊彦氏や創刊号の表紙を描かれた竹宮氏、関係者の解説と雑誌や資料が展示され、美しい表紙絵、作品が広がっていく。

 次に80年代前後に起こった同人誌文化における「やおい」の展示へ。「やまなし・おちなし・いみなし」の頭文字から出来た言葉で、自分の好きな場面だけを描く(山場もオチも意味もない)、自由に飛んだ同人誌が多く制作された事を紹介。そこから既存の漫画やアニメの男性キャラクターをカップリングし、2次創作作品が描かれていった事などが分かりやすく解説され、「やおい」人気に目を付けた出版社が90年代に、2次創作ではなくオリジナルストーリーでのBL漫画の雑誌創刊へと繋がっていく経緯が伝わって来た。

 藤本由香里氏の解説によると、「最初に「ボーイズラブ」という言葉を表紙でうたったBL誌は、『イマージュ』(1991年創刊、白夜書房)である。」との事で、次の「花ひらくBL文化」のコーナーへと続いていく。そして、このBL文化は日本を超えて海外へも展開され、現在に繋がっている。

 貴重な資料や雑誌、単行本、原画、原稿、関係者の解説、こんなに詳しくボーイズラブに特化した素晴らしい展覧会が今まであっただろうか、と感動に震えた。BLに「詳しい人」でも「知らない人」でも楽しめる見応えある展覧会であった。

<写真・文:岸田尚>

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