2022
11.1
「安彦良和の歴史マンガ道」〜神話の時代から未来戦史の世界まで〜開催

10月30日、森下文化センターにて「安彦良和の歴史マンガ道」〜神話の時代から未来戦史の世界まで〜と題した、安彦良和氏のトークイベントが開催された。聞き手には編集者の綿引勝美氏。
1972年に虫プロ社員を辞めてフリーのアニメーターになり、1979年「アリオン」で漫画家デビュー。アリオンはギリシア神話を題材にしているが、神話を辿るとそれは人間史になると言う安彦氏。はるか昔から現代まで人間は同じ歴史を繰り返している、と。
「ナムジ」から続く古代史シリーズでは「神武」「蚤の王」「ヤマトタケル」、また近代史では昭和初期の満州国を舞台にした「虹色のトロツキー」や現在連載中の大正時代を描いている「乾と巽」、古代史と近代史も、やはりリンクしていると言う。
そして古代に出て来る歴史上の人物は創作ではなく、必ずモデルになった人がいる。そう言う意味では「その歴史上の人物はいた」とも語る。
また公開された映画「機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島」についても触れた。歴史の中で沢山の戦いがあり、巻き込まれた子供達はその後どうなってしまったのかと思う。「ククルス・ドアン」は安彦氏にとっては「過去に忘れ物を取りに帰った気持ち」だと言う。当時のアニメでは登場する子供も3人と少なく、最低20人はいると思ったそう。作って良かった、そう語った。
会場は超満員。「歴史漫画に絞ったトークイベントをして貰って嬉しかった」と、はにかみ笑顔の絶えない安彦氏であった。

<画像・文:岸田尚>

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