2023
8.8
「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」

8月5日、6日「ねりま漫画サロンinゆめりあホール」が開催された。練馬区主催で、練馬区にゆかりある漫画家集団「ぽけまん」全面協力の元、メンバーの原画展、似顔絵コーナー、トークショーが開催された。多数展示された原画を間近に観る事が出来、色彩の美しさやペンの細かさに感動する。似顔絵コーナーも予約満杯であった。

⚫️1日目のトークショーは「ちばてつや氏×村上もとか氏」。司会は村上氏のご子息で声優の村上紀生氏が務めた。漫画家になったきっかけから練馬区へ引っ越しした際のエピソードを。ちば氏は編集から「良い建売住宅がある」と紹介され練馬区へ。村上氏は「中央線沿線で」と編集に希望を出し「中央線沿線」と信じてトラックに揺られて引っ越して来たら練馬区だった!との話。実は編集の方が練馬に住まわれていて、原稿を回収して周りやすくする為の企みだったと笑い話。ちば氏は部屋にこもって仕事をしていると次第に体調不良になり、野球を始めたら回復し「運動不足だったのか!」と回想。近くに住んでいらした手塚治虫氏に野球の試合を申し込みに行った話を。村上氏もお風呂と睡眠を削り「思いっきり寝たいと思っていた」が運動不足解消の為に野球チームを作り、ちば氏率いる女子チーム「グレース」と試合をした話をされた。
ちば氏は手塚治虫氏が亡くなった時、つのだじろう氏が漫画家は運動不足だから「手塚先生が、君たち運動しろよっ言ってるんだ」と話したと仰り、当時の漫画家がいかに睡眠不足で運動不足で大変だったかを改めて感じた。

⚫️2日目のトークショーは「新谷かおる氏×武論尊氏」。司会は新谷氏のご息女で声優の新谷摩乃氏が務めた。1日目もそうであったが、家族ならではの質問や進行が面白い試みであった。
新谷氏はアニメーターになりたくて上京。虫プロに入れてもらおう!と練馬区に来たら「潰れていた(旧虫プロ)」と話す。何とか食べていかなくてはならないので、応募原稿を描き始め漫画家になったと。「私も漫画家になれますか?」とよく聞かれるが漫画家には資格はないから誰でもなれる。「食べていけるか」は別だと話す。武論尊氏も「原作者も言葉さえ話せれば誰でもなれる。食べていけるかいけないかがプロとの違い」だと話す。
新谷氏は多忙な時期「一週間で8時間しか寝ていなかった」つまり3日起きてて4時間寝て、3日間徹夜して…合計8時間、食事と少しの睡眠以外は仕事をしていたと言う。
トークショーは各1時間。ここに書ききれないエピソードが多数だが、実は話しきれなかったエピソードもまだまだあるそうだ。大盛況で終わった「ねりま漫画サロン」。これはまた次回も開催されるのではないかと期待が高まる2日間であった。

<画像・文:岸田尚>

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