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漫画家協会WEB 相談フォーム Q&A
初めて取引する出版社との出版契約に不安があります。どうすればいいでしょうか。
初めての出版社との契約で不安がある場合は、契約期間を短めに設定することをおすすめします。
例えば、契約期間を1年など短めにして設定しておくことで、契約内容や出版社とのやりとりに問題が起きないかを見極めやすくなります。
万が一、何かトラブルが発生しても、契約を終了するための対応をスムーズに進められる点でも安心です。
出版社と出版契約を締結しています。預けている出版権を取り戻して紙の単行本を自費出版したいのですがどうすればいいでしょうか。
まず、契約中の出版契約書が、紙媒体と電子版が一体化した契約になっているのか、紙媒体と電子版で別個の契約になっているのかをご確認ください。
【紙媒体と電子版の出版契約が一体化している場合】
→紙媒体で自費出版を行うには、出版契約を結び直す必要があるかもしれません。
出版社に相談して協議をするようにしましょう。
発売から時間が経っていて、ファングッズ的に紙媒体で自費出版したいといった交渉の仕方であれば、出版社としてもOKを出しやすいかもしれません。
契約更新のタイミングで更新を行わずに出版社との出版契約を終了させ、紙媒体は自費で出し直し、電子版は取次代行サービスを利用して出すといった方法も考えられます。
【紙媒体と電子版が個別契約になっている場合】
→出版社が紙媒体を増刷してくれないような場合には、紙媒体についての出版契約を解除し、紙媒体についての出版権を取り戻すことが考えられます。
個別の契約であれば、電子版の契約には影響がないため、電子版は引き続き現契約のもとで刊行可能です。
電子書籍の売り上げ部数を編集部が開示してくれません。どうすればいいでしょうか。
漫画家としてご自身の作品の売れ行きを知りたいというご要望はごもっともです。
今回、常務理事がつながりのある出版社を中心に、講談社、小学館、集英社、KADOKAWAをはじめ複数の出版社に改めて確認したところ、いずれの出版社でも、支払明細書に「DL数(ダウンロード数)」欄に電子書籍の売り上げ部数を記載していることがわかりました。
たとえ契約書に明記されていなくとも、支払明細書への売り上げ部数の記載は業界慣行として定着しつつあると言っても差し支えないと考えます。
お取引をされている出版社に上記をお伝えし、もう一度、DL数等の売り上げ部数の情報開示が可能かを聞いてみてはいかがでしょうか。
コミカライズの作画の印税率について「2%」を提示されました。これは一般的な水準でしょうか。
いいえ、2%はあまりにも低く一般的な水準ではないと考えます。
紙媒体の漫画の印税率は、基本的に10%が標準的です。
この10%を原作者と作画担当者で按分します。
按分の比率は、原作者と作画担当者の実績などに応じて変わりますが、おおむね「5:5」から「3:7」程度が一般的です。
常務理事の中からは「2%という低い水準が前例として残るのは好ましくない」といったかなり強い意見も出ました。
作画の印税率が2%という提示は業界の標準からは大きく外れた条件であるといえます。
是非10%前後を目安に再交渉することをおすすめします。
編集プロダクションが代理で出版社と契約の交渉を進めているようです。問題ないのでしょうか。
編集プロダクションが著作権管理の代理を行うためには、著作権者である漫画家からの正式な委任(著作権管理委託契約)が必要です。
委任に関する契約を締結せずに、編集プロダクションが代理人として動いている場合、その行為は無権代理等になり、法的な問題が生じる可能性があります。
編集プロダクションに勝手に出版社との交渉しないように求めるとともに、専門家による法的アドバイスを受けることをおすすめします。
インボイス制度が始まってから、振り込まれる印税から一部を「手数料」という形で差し引かれるようになりました。これは『優越的地位の濫用』にあたらないのでしょうか。
上記のご質問に関しては、公正取引委員会の以下の資料が参考になるかと存じます。
「インボイス制度の実施に関連した注意事例について」
https://www.jftc.go.jp/file/invoice_chuijirei.pdf
かかる資料によると、取引上優越した地位にある事業者が、経過措置により一定範囲で仕入税額控除が認められているにもかかわらず、免税事業者に対して「消費税相当額を取引価格から引き下げる」などと一方的に通告することは、優越的地位の濫用として独占禁止法上問題となるおそれがあります。
ただし、優越的地位の濫用にあたるか否かの判断については、たいへん専門性が高く、当相談窓口としては、今回のような2%控除が上記に該当するか否かを断定的にご回答することは難しい状況です。
このため、個別の事例について優越的地位の濫用に該当するか否かの判断を仰ぐ場合には、以下の公正取引委員会の相談窓口へのご相談をおすすめいたします。
「独占禁止法違反被疑事実についての申告について」
https://www.jftc.go.jp/soudan/madoguchi/shinkoku.html
親族が無断で営業活動のようなことをしてきます。どのように対応すればいいでしょうか。
ご親族が漫画家本人の承諾を得ているかのように装って営業活動や企画を進めることは、よくあるトラブルの一つです。
当然ながら、ご親族は著作権者ではなく、そのような権限はございません。先生が迷惑に思われているのでしたら、対応方法として、以下のようにお伝えいただくことをおすすめします。
「販売や営業活動は出版社が主導で管理・進行しています。このため、第三者への営業などについては、事前に私(作家)へのご確認をお願いいたします。」
このような明確な意思表示を行うことで、今後の混乱を予防することができます。
必要に応じて、出版社から同様の旨をご親族にお伝えいただくことを検討してもよいかもしれません。
廃品・不用品業者に廃棄を委託した廃棄物がメルカリなどで不正に転売されていました。どのように対応すればいいでしょうか。
廃品・不用品業者に廃棄を委託した廃棄物がメルカリなどで不正転売されている場合の対処方法をご案内いたします。
メルカリには不正な経路で入手された商品の出品を禁止する規定があります。
以下の資料をご参照ください。
- ▼メルカリの規定
「盗品など不正な経路で入手した商品(禁止されている出品物)」
https://help.jp.mercari.com/guide/articles/909/
まずは、メルカリのヘルプセンターの窓口に問合せして、不正転売を差し止めてもらうようにご相談ください。
不正転売の差し止めだけでなく、その他の対応方法に関して検討する場合には、弁護士等の専門家にご相談されることをおすすめいたします。
漫画を全部描き下ろしで出版することになり、雑誌掲載の際の原稿料にあたるようなものが支払われません。このような場合、どのように交渉をすることが考えられますか。
印税率の交渉は、出版契約における最も困難な交渉項目の一つであるというのが当相談窓口の認識です。
また雑誌掲載ではなく書籍扱いとなる描き下ろしで原稿料を発生させるという交渉も、一般的に非常に困難であると思われます。
ある理事からは、代替となる交渉のポイントとして、以下の例があげられました。
(1)アシスタントや外注費用の出版社負担
原稿料が発生しない代わりに、アシスタント費用や外注経費を出版社に負担していただくよう交渉し、漫画家側の負担を軽減する方法です。出版社が取材費の負担をするのと同じような考え方です。
(2)単行本価格の調整
単行本の価格を引き上げることで、結果的に印税収入の増額を図る方法です。価格設定の交渉により、漫画家の実質的な収益の改善が期待できます。
よかったら参考になさってみてください。
著作者人格権について教えてください。
著作者人格権とは、著作者が自己の著作物について有する人格的利益を対象とした権利をいいます。
漫画家は、自身が創作した漫画作品に対して著作者人格権を保有しています。
財産権としての著作権と異なり、著作者人格権は譲渡することができず、漫画家に一身専属的に帰属します。
近年のウェブ漫画のプラットフォームや電子書籍の事業者などにおいては、従来の出版社とは異なり、契約書の中に 「著作者人格権を行使しない」という条項(著作者人格権の不行使特約)を盛り込むケースも見受けられます。出版に関する契約において、包括的に著作者人格権の不行使特約を定めることは適切でない場合がありますので、契約を締結する際には慎重にご対応いただくことをおすすめいたします。
また漫画家が法人の従業員として雇用されているようなケースでは、法人が著作者となる職務著作となる場合があります。
職務著作の場合には、著作者人格権は当該法人に帰属することになります。
これは、海外のマーベルなどの企業が著作権を保有するスタイルと似ています。
フリーランス新法にもとづいたアシスタントへの発注時の報酬の提示方法を教えてください。
(1)ページ単価もしくはコマ単価での発注時の報酬額の提示方法
原則として、消費税を含むか否かを明記し具体的金額を示す必要があります。
ただし、業務を委託した時点では報酬額を具体的に明示することが困難なやむを得ない事情がある場合には、「算定方法」を明示することで足りるとされています。
この場合の算定方法は金額が自動的に算出できる式であることが必要です。
【例】1ページあたり●●円×●●ページ
1コマあたり●●円×●●コマ
なお、「委託者と協議のうえ決定」など、具体性を欠く表現はNGです。
(2)依頼するページ数やコマ数が事前にわからない場合の対応方法
下書き前でアシスタントに業務を依頼するページ数などの見込みが難しい場合など、報酬額をあらかじめ明示することができないことについて正当な理由があるもの(未定事項)に関しては、例外的に、発注時に報酬額を明示しないことも許容されています。
ただし、この場合には、①依頼するページ数を確定できない理由、②依頼するページ数を確定できる予定期日について、当初の明示事項として明示しておく必要があります。
そして、未定事項である依頼する枚数が確定したときには速やかに書面または電磁的方法によりその内容を別途明示する必要があります。
法人化したのですが、著作権も法人名義に変更(譲渡)すべきですか?
多くの漫画家が法人を設立していますが、著作権は著作者である漫画家本人に帰属させたままの場合が多いようです。
法人を設立後、各出版社へ印税の振込先を法人名義の銀行口座に変更します。
振り込まれた収入から、社員(役員)である作家に給料が振り込まれます。
ほとんどの漫画家がそのように運用しているようです。
ただし、税務的な観点や相続対策の観点から、著作権の帰属を含めた漫画家と法人の契約関係を整理しておいた方が良い場合もあります。
その場合には、税理士や弁護士などの専門家に相談してアドバイスをもらった方が良いでしょう。
個人事業主ですが印税収入が増えてきました。どのくらいで法人化した方が良いのか悩んでいます。
個人事業主から法人化する場合、所得が700万円くらいから800万円位がひとつの目安です。
(なお、あくまで「収入」ではなく、収入から必要経費を差し引いた「所得」ですのでご注意ください)
上記は単純な税率の比較ですが、
①法人は給料として支給できる
②法人設立には費用がかかる
③赤字でも法人には税金がかかる
④個人は平均課税という制度等がある
⑤消費税の有利不利等がある
以上を鑑みると、「所得」が700万円くらいから800万円位になったらご検討されるのがよろしいかと思われます。
税理士から「著作権が課税対象になることがある」「その場合、直近3年間の印税収入に基づき課税される」との情報がありました。
それが事実とすれば著作権の相続に伴う課税は馬鹿にならない額になる可能性が出てきてしまいます。
一般的には毎年の印税収入が一定して見込まれる歌曲の印税などを想定したものかとも思われますが、漫画家でも過去にそのような事例があったか、どのような対策が考えられるでしょうか。
著作権の課税についてですが、国税庁のホームページにも掲載のとおり、概ね税理士事務所の情報どおりと思われます。
<ご参考>「148 著作権の評価」参照
ただし、弊協会がお世話になっている税理士にも確認したのですが、「評価倍率」の算出、何年後にいくらになるか極めてあいまいで、あいにく当該税理士も実際に実務的に評価をした事例がないのでわかりかねるとのことでした。
漫画家の先生方の間にも「これまでの収入がそのまま続く保証はないので、これまでの印税を基に課税というのは納得できかねる」という声は多々あり、実際にこのように主張された方もいらっしゃるようです(税務署側が受け入れたか否かは定かではありません)。
なお、「評価倍率」については「著作物に関し精通している者の意見等を基として推算…」との記載があります。
実務的な話ですのでお付き合いのある出版社のライツ·印税担当者にご相談されるのも一案かと思われます。
原画への相続税課税の現状と、できる対策を知りたい。
原画と著作権の関係についてまず整理させていただきます。
ここでいう「原画」は販売目的の描き下ろし原画ではなく、あくまで「コミックの中間生成物たるマンガ原画」という前提で返答させていただきます。
昨今、一部高額売買される原画もありますが、それはあくまで特定作品·特定作家を愛好するコレクター達が勝手に値をつり上げたものであり「原画は印刷用の版下に過ぎず相続税の対象外」と位置付けられており、それを理解していただきたいと考えております。
一部高額売買される原画の話題が一人歩きして、「マンガの原画そのものが財産となる」という印象が広まっているかと思われます。
・マンガの原画はあくまで作品を世に広めるために本あるいはWEB版を制作するための中間生成物
・作品の著作権と原画は別物(原画の所持者と著作権者はイコールとはかぎらない、原画を第三者が所有しても著作権はあくまで著作権者のもの)
・著作権を売買するケースもあるが、買い取った側への原画の移転は通常伴わない。なぜなら、作品内容を確認できる出版物などがあれば、著作権利用は可能だから。原画がなくても著作権ビジネスは成り立つ。ゆえに原画と著作権ビジネスが生み出す財産性は別物。
以上、原画と著作権の関係について整理させていただきました。
出版社との出版契約を解除(自動更新を希望しない意思表示)をしたいのですが、どのようにしたらよいのでしょうか。
まずは編集部に連絡という形になるかと思います。方法としては電話でOKです。
もし編集部が現在存在しない場合、その後継の編集部などどこでも良いかと思います。
それもわからない場合には、ライツ部やそれに準じた部署、もしくは会社の大代表でも大丈夫です。
そこで担当部署名、宛先を聞き、書面送付という形になります。
内容証明付きだと確実ではありますが、そこまでしなくてもメールでのやり取りで済んでしまうことも多いです。
イラストの権利ごと買い取りの相場を知りたいです。
経験則のある理事たちから話を聞いたところ、企業案件のイラスト依頼は通常のカラー原稿料金とは別物だということです。
40~50万円、100~200万円という話も出ました。
買い取りだとまた別でこの言葉が少々話を難しくしています。
しかし相場の確定はなく、先方の予算、ご自分の納得感に落ち着く場合が大きいと思います。
先方との関係性もわかりませんから曖昧な助言になってしまいますが、まず20万円を頭に描きつつ先方に依頼額を提示してもらいましょう。
大きく上回れば問題ないし納得いかなければ回避を考えてもいいと思います。
先方からの金額提示、そこからプラスマイナス交渉をしてみるというのはいかがでしょうか。
現在進行中の契約において、契約終了後も出版社側に貸与権を残したいとの要望がありました。
その理由として、レンタルショップや配信等に関する猶予期間が必要であるとの説明を受けております。
貸与権が残る場合、本件分配金の支払いはあるとのことです。
一方で、作者としては将来的な作品管理や版権引き上げの可能性を考え、契約終了後の貸与権は期限付きとしたほうが良いのかどうかと悩んでおります。
「契約終了後も出版社側に貸与権を残したいとする契約書」についてのご相談ですが、その出版社が発行した特定の書籍(既刊本)のレンタルに関する権限に限定されているのであれば、大きな心配はありません。
貸与権は、本がレンタルされる際に出る収益を受け取るための権利です。
漫画の場合、出版社が窓口となって管理団体に登録し、分配金を回収して漫画家に支払う形が一般的です。
今回、出版社が、猶予期間が欲しいと言っている趣旨は、レンタル店に並んでいる本を契約終了と同時に一斉回収·レンタル禁止にすることは現実的に難しいため、出版社は「契約終了後も、既に出回っている本についてはレンタルを認める(そして収益を分配する)期間」を求めていると考えられます。
なお、対象となるものが、本契約に基づき出版社が発行した「出版物」の貸与権に限られているかを確認してください。
また、「配信」については物理的な在庫がないため、通常は数ヶ月程度の明確な期限(清算期間)を設けるのが一般的です。
貸与権についても「契約終了後○年間」などの期限を設けるのが良いです。
今まで印税10%だったところ、紙の高騰を理由に次から7%と提示されました。
いきなり3割減はあまりにも大きすぎると思うのですが、これは妥当な状況でしょうか。
契約を交わす段階で、8%など、10%を下回る印税の出版社は聞いたことがあります。
ただ一度交わした契約の途中から印税率を下げるという例は、常務理事で確認した範囲では見当たりませんでした。
少なくとも一般的なケースではないと思われます。
おそらくですが、一度下げてしまったら、印税率をのちのち元に戻すのはたいへん困難かと思われます。
材料費の高騰が理由なら、単行本そのものの値上げで対応すべきではないか、という見解が常務理事の間では多数を占めています。
自分の著作物を納品後に生成AIに学習されたくない場合や、生成AIを使って画像の改変をされたくない場合、契約書に加えるべき文言を知りたいです。
クライアントが納品物を無断で生成AIに学習させる行為については、著作権法第30条の4(情報解析等のための非享受利用)により、原則として権利者の許諾なく行えるという見解があり、契約書に「本件目的以外に使用しない」といった一般的な条項があるだけでは、生成AIによる学習を禁止できないと解釈されるリスクがあります。
一方で、漫画家の著作物(画像)がAIによって勝手に改変された場合については、翻案権(著作権)や同一性保持権(著作者人格権)の侵害となり得ます。
著作権法上、生成AIによる学習を認める規定があったとしても、当事者間の契約でAI学習を禁止する合意をすることは有効とされています。
このため、生成AIによる学習や生成AIによる画像の改変を確実に制限したい場合には、以下のように契約書に具体的に明記することをお勧めします。
(条項例)「甲は、乙の事前の書面による承諾なく、本著作物を人工知能(AI)の機械学習のためのデータとして利用(著作権法第30条の4に基づく利用を含む)すること、及び人工知能(AI)を用いて本著作物を改変することを禁ずる。」
契約書に「著作権全部譲渡」の記載があり、印税の比率が明示されていませんでした。どう対処すればいいでしょうか。
著作権を全部譲渡する契約は、出版業界の一般的な慣行(出版権の設定や利用許諾)から大きく逸脱しており、慎重な検討が必要です。以下の点を確認してください。
·契約書に「著作権法第27条及び第28条の権利を含む」と明記されていますか。
これがない場合、法律上はこれらの権利は漫画家に留保されていると推定されます(著作権法第61条第2項)。
逆に明記がある場合、将来の映像化や海外展開等の収益を一切受け取れなくなるおそれがあります。
·提示された金額は「将来発生する可能性のある全ての収益」を買い取るにふさわしい額でしょうか。
通常の原稿料と同等であれば、事実上の無償譲渡となり、極めて不利な条件です。
·「著作者人格権を行使しない」という条項はありませんか。
これがあると、作品の改変等に対抗できなくなるリスクがあります。
いずれにせよ署名する前に弁護士等と相談した上で、出版社と協議して、「譲渡」ではなく「出版権の設定」や「利用許諾」に変更するよう交渉することをお勧めします。
印税率を1~3%で提示されました。不当ではないでしょうか。(初版部数:3,000部~)
不当とまでは言い切ることはできませんが、紙媒体の出版の印税率の一般的な相場である10%に比べると著しく低い料率であるということは言えると考えます。
電子の印税について年払いを提示されました。一般的な取扱いでしょうか。
年払いというケースは、あまり多くはないという印象です。
電子書籍の印税の支払いは、半年ごとや四半期ごとが多いようです。
ある出版社との間で、契約や印税条件が未確定のまま、電話などでの常に記録の残らない口頭のやりとりだけで、漫画制作の進行を求められています。契約書をとお願いしても対応されず不安を抱えています。
出版業界において、契約書の作成や条件が確定する前に制作を進める事例は、かつては一定数見られましたが、近年は減少傾向にあります。
推奨される方法ではありません。
また、口頭のみで条件提示が行われると、後に条件が変更される、または認識の相違が発生する等のリスクがあり、避けるべきです。
条件未確定のまま制作を進めると、後に不利な条件を押し付けられる可能性があります。
特に、フリーランス保護法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)の適用がある場合には、発注者たる出版社は、受託者たる漫画家に直ちに業務内容、報酬額、支払期日、契約期間などの取引条件を書面やメールなどで明示することが法律で義務付けられており、口頭のみで条件提示を行うことは認められません。
まず、現時点での先生が認識している諸条件を整理し、メールで出版社に送付のうえ、その内容についてメールで回答をもらうことをお勧めします。
そのうえで、速やかに契約書の提示·締結を求めることが、リスク低減につながるかと存じます。
コミカライズの連載を引き受けたものの、編集部の方針と折り合わず、担当編集者との協議の結果、作画の仕事を降りることになりました。出版社側からは支払った数話分の原稿料の返金を要求されています。
連載準備で描き溜めただけで、未発表です。これは返金に応じるべきものなのでしょうか。
原稿料の返金に応じるべきかどうかは、出版社との契約の内容によって変わります。
出版業界の一般的な慣行として、原稿料は「掲載」の対価とされることが多いですが、「作画作業」の対価も含まれると解釈できる可能性もあります。
コミカライズの場合、作画の仕事を降りた後に、描き溜めた原稿を別の方法で発表することができないことが多いので、漫画家としては「作画作業」の対価であると主張して返金に応じなくて済むように、出版社との間で話し合いの機会を持つのが良いでしょう。
特に、出版社の依頼内容、作画の仕事を降りた経緯などによっては、出版社が返金を求めることがフリーランス保護法(特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律)に違反する可能性もあるかもしれません。
その場合には、漫画家側は返金に応じなくても良いことになるでしょう。なお、仕事を降りた経緯がもっぱら漫画家側の都合であるような場合には、原稿料の半額を返金するといった形で落とし所を探るのもひとつの方法ではあると考えます。
取引先となる企業が、取引先登録のために顔写真付きの身分証明書(免許証、マイナンバーカードなど)の提出を要求してきました。
顔出しをしていないので、顔写真つきの身分証明書や、請求書に必要な情報以外の個人情報書類を提出したくないのですが、どうしたらいいでしょうか。
取引先となる企業が「身分証明書の提示」を求める背景には、適正な税務処理(源泉徴収等)やコンプライアンス(反社会的勢力との取引排除等)のための本人確認といった理由があるものと推察されます。
顔出しを避けたい場合、まずは「顔写真のない身分証明書(住民票等)」の組み合わせで代替可能かを交渉してみてください。
個人情報の提出に不安がある場合は、その使用目的や管理方法を限定した覚書を用意し、提出する情報の範囲を明確にする交渉を検討されてはいかがでしょうか。
覚書の締結が難しい場合には、先方の「プライバシーポリシー」の提示を求め、収集した個人情報が本人確認以外の目的(宣伝等)に使われないことや情報の破棄方法を確認してください。
覚書の作成やプライバシーポリシーの確認等を通じて、安心できる条件を事前に明示·確認しておくことが、先方とのやり取りをスムーズにする助けになるかもしれません。
どうしても本名や住所を企業に直接開示したくない場合は、弁護士や信頼できるマネジメント会社·エージェントを介して契約を締結し、本人確認を代行してもらう形をとることも検討してください。
海賊版や、違法サイトを見つけた場合どうしたらいいでしょうか。
漫画の海賊版サイトを見つけた場合は、発見次第、該当作品の出版社への報告を推奨しております。
現在、主要な電子書籍サイトの多くは一般社団法人ABJに加盟しており、出版社に情報が入ることで、ABJ側にも内容が共有され、対応が進められるケースが一般的です。
ABJは、正規版電子書籍の普及を目的とした団体で、海賊版対策についても、出版社や電子書店と連携しながら対応の取りまとめ役を担っています。
海賊版サイトの報告があれば、出版社やABJを通じて段階的に対応が進んでいくことになります。
ただし、報告後にすぐにサイトが閉鎖されるとは限りません。対応にはどうしても時間がかかる場合があります。
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