お知らせ

日本漫画家協会賞大賞「萬画部門」新設のお知らせ

公益社団法人日本漫画家協会(里中満智子理事長・会員数約3,100名)が優秀な漫画作品を顕彰する「日本漫画家協会賞」は今回で第52回目を迎え、本日当協会のホームページにて各賞の贈賞を発表いたしました。

これまで協会賞大賞においては、「コミック部門」と「カーツーン部門」を設けておりましたが近年はどちらにも区分できないジャンルの作品が毎年数多く存在し、それらは今後さらに増え続けるであろうことが予測されます。それに伴い、漫画の普及ならびに漫画創作活動を奨励する目的を担う当協会として、多種多様で優秀な漫画作品を顕彰するため、今回より協会賞大賞において「コミック部門」「カーツーン部門」に加え、新たに「萬画(まんが)部門」を新設いたしました。

「萬画」という用語は、かつて当協会の常務理事を務め、当協会の活動にも多大なる貢献をされた石森章太郎氏が提唱されたものです。34年前に発行された当協会の会報誌に、石森氏は「漫画じゃない。マンガでもない。劇画、コミックでもない! “萬画”提言」と題し、次のような文章を寄せられています。

「①萬画は万画(よろずが)です。あらゆる事象を表現できるからです。
②萬画は万人の嗜好に合う(愛される。親しみやすい)メディアです。
③萬画は一から(無限大の意も含む)の駒による表現形式です。
④従って、萬画は無限大の可能性を持つメディアである、ともいえるでしょう。
⑤萬画を英語風にいえば、Million Art.Millionは百万ですが、日本語の万と同じく「たくさん」の意味があるからです。頭文字をとればM・Aです。
⑥M・Aは即ち“MA”NGAの意……。」
(出典:「日本漫画家協会 広報」 1989年12月26日・日本漫画家協会事務局発行)

当協会は漫画作品が時代とともにそのジャンル・表現形式等が変容・拡大の一途をたどりつつある状況を鑑み、また石森氏が「萬画」という言葉に込めた想いを伝承するためにも「萬画」という言葉を贈賞部門の名称として世に知らしめていくとともに、これからも多種多様な漫画作品の創作振興、ならびに漫画文化の発展に寄与していきたいと思います。

2023年4月10日
公益社団法人日本漫画家協会
(C)Japan Cartoonists Association

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