お知らせ

ロシアによるウクライナ侵攻について

私たち日本の漫画家は、ロシア連邦政府によります、ウクライナへの侵攻に大変心を痛め、速やかな武力行使の停止を願っております。
世界で広く愛されている日本の漫画の隆盛は、第二次世界大戦の終結による、自由に漫画の描ける時代の到来とともに始まりました。戦争のない、平和な歳月こそが、今日の漫画の隆盛の礎であります。
豊穣な日本の漫画の世界を拓かれた偉大な先人の多くは、苛烈な戦争の生存者であり、その創作の根底に「もう二度と戦争のない世界を子供たちに」という、渾身の祈りと慈愛を作品に込めました。
それらの宝物を渡された世代が、漫画の表現者として育ち、今、世界に拡がる日本発の漫画すべてに祈りと慈悲の遺伝子が受け継がれているといっても過言ではないでしょう。
ウクライナで、ロシアで、世界中で、日本の漫画が愛されていることは私たちにとって大きな喜びであり、その読者すべてもまた、平和の祈念の遺伝子の継承者なのです。
私たちが愛してやまぬ、創作という行為、それにより生み出される「繋がり」や「親和」とまったく相反する、破壊、殺戮、分断等を生じさせる武力行使の速やかな停止を私たち日本の漫画家は切に望みます。

 

※「ウクライナと日本漫画家協会を結ぶ起き上がりこぼし」

東日本大震災で被災した日本を案じ、デザイナー・高田賢三氏がパリで立ち上げた「起き上がりこぼしプロジェクト」。福島県の伝統的工芸品「こぼし」への「辛苦を経ても再起を」の祈りを込めての絵付け活動に多くの漫画家が賛同し、参加。原子力発電所事故が起きた日本を案じ、ウクライナから多くの救援と慰めを受けたことの返礼として日本漫画家協会より感謝の「マンガこぼし」を贈ったことをきっかけに、今に至る交流が生まれた。

2022年2月28日
公益社団法人日本漫画家協会

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