2021
10.15
荏柄天神社「絵筆塚祭」開催

2021年10月9日(土)〜10日(日)の2日間、鎌倉・荏柄天神社にて今年も「絵筆塚祭」が執り行われた。

9日は参道に漫画家達の描いた「まんが行灯」に蝋燭が灯り天神社までの道を案内する点灯祭。静かな参道を幻想的に彩り、道ゆく人の砂利を踏む音が響いていく。

10日は「筆供養祭」となる。朝から柔らかい小雨が降っていたものの、祭祀が始まる頃には青い空に太陽が覗いた。木の葉に残っていた雨水が落ちてキラキラと輝く。参道には昨夜灯されていた行灯が参拝する人々をもてなす。晴れた風景に奉納された「まんが行灯」が楽しくも美しい。

太鼓の音と共に宮司が祝詞を唱え「古筆焼収の儀」が始まる。厳かな空気の中、古筆と大色紙はお焚き上げされ、今まで沢山の絵や文字を書いて来た筆達が供養されていく。実行委員の牧野圭一氏がお言葉を述べられ、今年は宮司が神様に向かって唱えた祝詞の意味を丁寧に解説してくださり、そのお気持ちを語られた。

また、境内では大色紙が用意され、漫画家達が古筆で寄せ書きを行った。

本来なら名物の漫画家達の「似顔絵コーナー」や、一般公募による「河童絵コンクール」が行われているが、コロナ感染防止対策のため昨年から中止となっている。自分達の描いた河童絵を見ようとはしゃぐ子ども達の声でいっぱいだった境内が、今年は少し寂しく感じられた。「来年こそはきっと…」と、天神社に一礼して風景を心に焼き付けた。

(文・写真:会報部 岸田尚)

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