2025
8.15
第34回 全国高等学校漫画選手権大会 まんが甲子園 本戦大会開催!

日本漫画家協会特別協力事業 第34回まんが甲子園
2025年8月2日・3日 高知市文化プラザかるぽーと

 今年も高知の熱い夏、まんが甲子園が高知市文化プラザかるぽーとにて開催され、日本30校、韓国3校のペン児たちが「まんが力」を競いました。今年もニコ生での配信が行われました。

審査委員長 山根青鬼
審査員 くさか里樹 Moo.念平 ひのもとめぐる えすとえむ ちさと 岩神よしひろ
ゲスト審査員 ウラモトユウコ 鈴ノ木ユウ(敬称略)

1日目 開会式から第一試合

 試合開始1時間前。控え室に集まった審査員たちが、2つの試合に出されるテーマを決定します。出場校にはあらかじめ5つのテーマが伝えられています。そのどれかが第一第二試合に出ますが、それは本大会当日に決まるので、どれがいつ出るかはわかりません。全てのテーマの作品を考えておく必要があり、それが生徒たちの訓練にもなるようです。どんな絵が出てくるかを予想しながら、おもしろみや意外性、時流、過去の出題なども参考に話し合います。第一第二のどちらに出すかも重要です。

 かるぽーと1階の大ホールで開会式。生中継を意識してか、選手入場で掛け声をかけるなど、元気なパフォーマンスをするチームが多くなってきました。今年は高知の学校が4校も出場しているので、取材カメラも多めです。開会式が終わるといよいよテーマ発表。第一試合の出題テーマは「A」となりました。これはアルファベットと見ても図形と見てもよく、発想力が問われます。7階試合会場の各校ブースにペン児たちが収まり、高知県知事・濵田省司氏の鳴らすドラで試合開始!

 今年も会場の周りには、出張編集部、作画技法書やゲスト審査員の作品などを揃えた書店、画材を購入できるショップ、ワコム、セルシスなどのデジタル体験コーナー、ICのコピック体験コーナー、紙アプリ体験、朝ドラ「あんぱん」撮影スポット、地元高校PR、まんさい、背景美塾、高知市観光協会、国民文化祭、海洋堂ホビー館・四万十かっぱ館、当協会の協会賞コーナーなどなど、一般客も楽しめる展示や体験ブースがたくさんあります。今回初めてブースをかまえたのが印刷工業組合。土佐和紙にも印刷できるプリンターがきていて、自分のイラストを紙バッグなどにプリントできます。審査員たちも絵を持ち込んで楽しみました。予選の応募作品と歴代最優秀賞作品は廊下の壁にびっしり張り出されています。会場全体を回る謎解きラリーも行われています。出張編集部には最近、近隣のデザイン学校等の生徒がツアーを組んで来場するようになり、今回も午前中から大盛況でした。ステージでは「まんさい」や「よさこい高知文化祭」のPR、小学館「マンガワン」編集者、ABJ・集英社の各トークショーが開催されました。商業マンガに必要な要素など、有益な情報が盛りだくさんでした。

 16時、試合終了。審査室に作品が運び込まれ、審査員がそのなかから10点の優秀作を選び、発表となります。この10枚が受賞候補作になります。テーマ「A」作品は、最初に思いついたことをそのまま描き上げてしまったものが多い印象でした。もう一捻りあればと審査員が惜しがりました。閉場後、審査員が各作品の講評をする映像を撮って全チームに配信します。この第一試合の評価でショックを受けて、残りのテーマのアイデアを宿泊所に戻ってから練り直すチームがありますが、やはりそのようなチームは二日目の結果も良いようです。

2日目 第二試合から閉会式

 二日目のテーマは「カモフラージュ」。発表された途端歓声が上がりました。自信の現れでしょうか、驚きでしょうか。山根青鬼審査員長の鳴らすドラで試合開始!

 デジタル作画の学校も増えて、会場にはエプソンの大型プリンターが据えられています。デジタル組は、プリントする時間、さらにボードに貼り付ける作業があるので、順番待ちになる可能性も考えてより早めに仕上げる必要があります。作画に失敗した時のリカバリーを考えてか、絵をパーツに分けて薄手の紙に描き、切り抜いて貼り合わせる学校もありました。各校、時間内に作品を仕上げるための方法を模索しているようです。

 競技中、二日目のステージのお楽しみ、「Moo.念平の大笑いまんが道場」。道場主のMoo.念平氏が出すお題に漫画で答えます。審査員のプロ漫画家チームが高校生を相手におとなげなく実力をぶつける競技。しかしなぜか毎年高校生チームが勝利します。今年はやはり朝ドラ「あんぱん」ネタが出題されていました。ステージでは試合終了後、縦コミックQ&Aが行われました。今年から新たに始まった、高校生向けの縦読みコミックコンテスト「まんが甲子園タテスクver(バーション)」のPRです。商業作家育成を目指す企画で、またひとつ新しいデビューの道がひらけました。イベントとしては大ホールで久しぶりに「アンパンマンショー」も行われて大盛況でした。

 14時30分、試合終了。審査室には前日の優秀作10点と第二試合の作品が運び込まれます。「カモフラージュ」は良いテーマだったようで、審査員を喜ばせる作品がたくさんありました。まず二日目の作品から優秀作10点を選びます。そして前日の優秀作10点と合わせた中から、最優秀〜3位までをまず決め、それから審査委員長賞。協賛企業賞などは代表の方に候補の中から好きな作品を選んでいただきます。そしてその他の全作品から、やなせたかし賞、ebookjapan賞、ゲスト審査員長を選びました。やなせたかし賞は、四国ブロックのおかもとあつし氏の選定です。全て作品だけを見て選ぶので、2点の作品のどちらもが受賞する学校がでることもあります。今回は栃木県立矢板東高等学校がダブル受賞となりました。

 大ホールで授賞式と閉会式が行われました。今年は3位から最優秀賞を発表し、それから各賞という並びで発表になりました。やなせたかし賞には、やなせたかし記念館から「やなせうさぎ」が今年も来てくれて、受賞校に賞状と記念品をを送りました。
 今回、最優秀に選ばれた作品が、結果発表後、外部より類似作の指摘を受け、検討の結果受賞を取り消し失格とされました。繰上げは行われません。
 閉会後は恒例の高校生交流会が行われ、ペン児とボランティアなどを協力してくれた地元高校生たちが楽しく交流しました。

各賞受賞校

1位  該当なし
2位  栃木県 栃木県立矢板東高等学校(W受賞)
3位  宮城県 東北生活文化大高等学校

審査員長賞  愛媛県 愛媛県立西条高等学校
まんが王国・土佐推進協議会会長賞  韓国 ソウルウェブトゥーンアニメーション高等学校
三菱電機賞  高知県 高知市立高知商業高等学校
全日空賞  栃木県 栃木県立矢板東高等学校(W受賞)
高知県市町村振興協会賞  栃木県 栃木県立宇都宮東高等学校
高知県高等学校文化連盟会長賞  京都府 京都精華学園高等学校
協同組合帯屋町筋「帯屋町賞」  大阪府 金光八尾中学校高等学校
やなせたかし賞  新潟県 大彦学園  開志学園高等学校
ウラモトユウ ゲスト審査員賞  千葉県 渋谷教育学園 幕張高等学校
鈴ノ木ユウ ゲスト審査員賞  韓国 韓国創意芸術高校
ebookjapan賞  広島県 呉武田学園 武田高等学校

<画像・文:大石容子>

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