岸田尚肖像画展10 & 岸田尚個展「実りある風景」

　『岸田尚　肖像画展１０&「実りある風景」』が東京銀座「ギャラリー裏路地」にて開催されました。会場の裏路地がさらに裏路地になっていてびっくりでした。　

　色々な作家が岸田先生愛を溢れさせて描く「岸田尚　肖像画展」ももう１０回目になったそうです。毎回ユニークな作品や他では絶対に見ることの出来ない作家さんの作品に会えるのも楽しみです。おなじみの絵柄にホッとしたり鋭い切り口に驚かされたり、商業主義ではない解放された展示空間に癒されます。私もこの異種格闘技とも言える展示をぜひ続けていただきたいと思っているファンのひとりです。

　そしてご自身の作品の「実りのある風景」。まるで夜中にはみんなで会話を楽しんでいそうな猫や犬達、愚かな人間達のことを話題にしているかも知れないですね。撫でてあげたくなる毛並みの描写も素敵ですが身に纏うレース生地の質感も素晴らしいと感心しきりです。
中でも今回特に私の目を引いたのが「卵かけご飯」「曽祖父岸田吟香」のセット。吟香氏は日本の安全な卵を使った世界にも稀な料理（？）を考案したジャーナリスト。まさかひ孫が絵描きになってご飯粒をこんなにリアルに描く日が来るなんて想像しなかったことでしょう。真面目に真剣に描き込んでいるので笑えます。お土産にちょこっと買って帰りたくなるステッカーやファイルなどグッズも楽しいです。

＜画像・文：嶌津よたろう＞